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カテゴリ: 美容

ロゴなし・主張なし・それが最高級——「Quiet Luxury(静かな贅沢)」という美意識

シンプルなベージュのニットとミニマルなアクセサリー——Quiet Luxuryのコンセプト

ロゴなし・主張なし・それが最高級——「Quiet Luxury(静かな贅沢)」という美意識

hook

「どこのブランドですか?」と聞かれても答えられない服が、今最もラグジュアリーです。2023〜2024年に世界のファッション・ビューティシーンを席巻した「Quiet Luxury(クワイエットラグジュアリー)」は、ロゴ・派手な色・ブランドの誇示を排し、素材・シルエット・質感だけで語るスタイルです。TikTokでは#quietluxuryが2億回超の再生数を記録。米ドラマ『Succession』の登場人物が着用した「何でもないように見えるのに高い服」が象徴的な参考例として注目され、「Old Money Aesthetic(古いお金の美学)」とも重なります。そして面白いのは——日本の無印良品・ユニクロの哲学が、世界が今夢中になっているQuiet Luxuryとほぼ同じだということです。

data

Quiet Luxuryというタームが急浮上したのは2023年春。ハイプビーストカルチャー(限定品・コラボ・ロゴ主義)への反動として、The Row・Loro Piana・Brunello Cucinelliといったノーロゴ・ハイクオリティブランドが若い富裕層の間で爆発的に支持を集めました。TikTok#quietluxuryは2023年だけで2億回超の再生数を記録。Lyst(グローバルファッション検索サイト)によると、2023年Q2にLoro Pianaの検索数が前年比+80%増加し、The Rowも+60%増。また「ロゴなし」「ベーシックカラー(ブラック・ホワイト・ベージュ・キャメル)」「カシミア素材」の検索が急増しています。国内では、無印良品の2024年度の海外売上が記録を更新——Quiet Luxuryの世界的なトレンドと歩調を合わせるように成長しています。

explanation

Quiet Luxuryが今の時代に響く理由は3つあります。①「インフルエンサー疲れ」——InstagramとTikTokが「見せびらかす消費」を10年間助長してきた反動として、「目立たない贅沢」への回帰が起きています。②「品質への回帰」——物価高・インフレの時代に、長く使えるものを1つ買う方が賢いという価値観。③「アイデンティティとブランドの分離」——「このブランドを着ている自分」ではなく、「このシルエットが好きな自分」というアイデンティティ形成の変化。日本との関係で言えば、「シンプルな良いものを長く使う」という価値観は、日本のものづくり文化(民藝運動・柳宗悦の哲学、無印良品の設計思想)と完全に一致します。世界が今、日本の美意識に追いついてきたとも言えます。

practice

Quiet Luxuryを日常に取り入れる3つの実践です。①「素材に投資する、デザインには投資しない」——トレンドに左右されるデザインではなく、素材の良いベーシックアイテムへの投資。コットン100%の白シャツ・上質なデニム・カシミア混のニット、これらは5年後も使えます。②「クローゼットのノイズを除く」——「来月着そう」で残しているものを正直に手放す。残るのは、本当に好きで何度でも着るものだけにする。③「手入れを楽しむ」——良い素材は手入れで持ちが変わります。シューキーパー・ニットの手洗い・綿素材のアイロンがけ。ものと丁寧に関わる習慣がQuiet Luxuryの実践です。

cta

Quiet Luxuryを深めるなら、柳宗悦著『民藝とは何か』は、日本が100年前から育ててきた「質の高い無名の美」の哲学を知る最良の入口です。実践派には、大草直子著『トレンドよりも、似合うが最強! 大草直子の“考えるおしゃれ”』が、Quiet Luxuryに通じる「素材とシルエットで選ぶ」考え方を体系化した一冊です。今週、クローゼットを見て「ブランドロゴで選んだもの」と「素材・シルエットで選んだもの」を仕分けてみてください。その比率が、あなたのQuiet Luxuryへの距離感を教えてくれます。